従来の印刷工程は,スキャナ入力や校正刷りが主流であったが,最近ではデジタルカメラのデータ入稿やモニタ,プリンタによる校正が利用されている。したがって,それらの各デバイスが表現する色の範囲であるガモットの違いや特徴を理解することは,製版・印刷業務を進めるうえで重要になる。
一方,印刷の基本色となるCMYKやディスプレイのRGBなど,作り出す色の範囲を色空間(Color Space,カラースペース)という。色を表すための考え方には,xyz色度図や三次元直交座標を用いるLab色空間などがあり,機器に依存しない中間的な空間値であるLab表色系は,カラーマネージメントでも活用されている。
本セミナーでは,画像の評価や再現性,色管理への取り組みのために基礎となる表色系の解説,標準化の動向,デジタル撮影から印刷工程を中心とした各デバイスにおけるsRGB,AdobeRGB,Japan Colorなどの色再現とカラーマネジメントの特徴について探っていく。
いつものように、プロ集団にまじって講習を受ける。どうやら歯科は、また私だけのようだ。今回聞きたいことは、カラーマネジメントである。デジタルで撮影した画像データ、そして画面上、または印刷においてどう統一して同じ色をだせるかということである。たとえ同じデジタルであっても、デジカメとスライドスキャナーでは、解像度が同じでも色の再現性はかなり違うのです。画面上においても大変なことがあります。データがsRGBの展開する色とさらに色調の広いAdobeRGBは、逆には再現できません。そんな苦労して描き出した色においても、実際の色調は、画面上の色よりさらにもっと広いものなのです。忠実に色を再現する方法はいまだありません。もしかすると、今私のみてる画面とあなたの見ている画面の色は、違っているかもしれませんね。
さらにそれ以上に大変なことがあります。それはいまだ確立していないシカマネジメントであります。なにしろ色以外に形が違っているわけです。シカでは、残念ですが、ほとんどすべてと言っていいほど歯の形になっていません。さらに現役のシカ医は、本物でもそうでないものでもすべて同じにみえていることなのです。そして、さらにそれ以上に困難なことは、そんな見えていない人にみえないものを説明しなくてはならないことなのです。色以上に噛み合わせは、大変な理由がおわかりかと思います。
審美的な歯の色の再現性の前に、シカ界の歯の形態は一体どうなのでしょうか?