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診療日記ブルー


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「目は口ほどに恐怖を語る」
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モンスターパニック 2004年12月21日(tue)

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 顎の左右差を精度をあげて、うまく合わせてみても実は解決にはならない。さらに顎の位置を何とかしようとしても、微妙なコントロールがうまくいかない最大の理由は、骨は生きていることにある。特に骨は歯からの最大の力を受けて生成される。仮にいくら理想の顎の「位置」にしても歯から決められて持っていった位置でないかぎりまったく無駄なことが多い。しかも、それは術者の設定ではなく、自分自身の強い意思による選択でなければならない。もちろん、それまでの環境は歯科医や技工士が設定してあげなければならない。
 口腔内も環境である、さまざま問題を解消することも大切である。しかし、もっとも近い部分はまぎれもない歯である。代替医療で逃げるのではなく、本質で解決することが多数ある。
 
 無理に戻しても、狂った歯が元の状態にあっという間にひき戻す。結局歯が元の状態のままが理由である。スプリントや整体主導で顎治療をしても、本当に正しい意味で「歯」が正しく導いていかない限り、残念だがいつまでたっても永遠の「仮」の姿である。
 
 噛み合わせの治療で一番よくないのは、よくならないと転院を繰り返す「繰り返し」治療をすることであり、長期期間に渡り仮歯などで調整しながら治療することである。これが、一気に悪くさせる。転院のたびに、ある考えを持つDr.やあなたの考えの言う通りに設定され治療される。上記の考えであれば、経過はよくなく結果として裏切られることになる。健康な身体であれば、耐えうる十分な治療のマージンも、長期にわたる身体の疲弊がシカ治療を許さない。だんだん敏感質な身体に変えられ、健康な身体で許せても今は許せる状態ではない、やがて気力も失いつつきている。
 もちろん「正しい治療」でなければ、身体の変化や老化に合わせて崩れていくことは避けられない運命である。結果は最後の最後に大きく変わることでわかるだろう。いつまでも、温存した歪みは、健康から落ちたとたん牙を向く。そうなるかどうか、歯をみればすぐわかる。

シカのスプリントのように力でねじ込めば、かえって内部に応力が生じる、その力が想像以上の仕返しで帰ってくる。闇夜に潜んだモンスターを解放してしまう。喜んでこの世界に舞い戻ってくる。突然、つかの間の平和世界から一転してモンスターパニックに陥る。それでも嵌めるのだろうか。自ら歯と身体が分断されるモンスターに変身するのは、装置を入れて間もなくだ。より長く辛い戦いになり、本当の怖い逆襲はそれからだ。


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