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診療日記ブルー


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いわゆる顎関節症 2004年12月11日(sat)

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 顎関節部付近に音と痛みを伴い現れる疾患があると仮定します。仮定ですが、現実にもちろん痛みがあります。しかし、顎関節部付近に痛み自体が即異常ではなく、また顎関節部付近においてはむしろ「まれに」発生するものなのです。顎関節症という名前の由来とはまったく別に、「いわゆる顎関節症」といわれる疾患は、実際には、身体に隅々にさまざまに行き渡るものであり、その様態の複雑さからしてみて部位的な分類として把握されにく疾患なのです。
 
 シカは全体像を把握していないために、部分的器官を独立してみているため、顎関節部付近の疾患と特定し「顎」の病気と誤って診断して病名を場所から判断して位置づけています。むろん進行し重篤になれば関節部周辺の組織は、組織学的にも変性から癒着、変形、損傷を起こし始めます。ここで考えてもらいたいことは、顎関節の疾患が「一人歩き」して悪くなることなど絶対ないのです。顎関節が悪い病気ではないのです。ですから、原因を取らずに顎関節に直接アプローチすると逆に本当に大変なことになるのです。

 シカ治療を含めた歯全体のアンバランスの最終的なしわ寄せがあるという発想を持てばすぐわかります。
そして顎や身体は、歯をみればその通りになっているのです。その方の持っている相対的な弱点部分が、顎関節部であれば即そこへ症状が重なるのです。ですから関節部への負荷によって引き起こされた器質的変化異常をシカではいまだ誤解して顎の病気と認定してしまうのです。しかも関節部だけの疾患ではありません。"顎偏位症"と呼ぶ内でのごく一部の顎関節近辺にみられる部分的症状を、シカでは顎関節症として認定しているのです。

 顎のずれからの連鎖的な反応として、頭部、顔の傾き、首のズレ(上部頸椎と下部頸椎のバランス)、肩、腰、足などの左右差や咬合力での筋力差、骨変形等により異常が起こりそれが身体の異常につながります。しかし噛み合わせの悪い状態の時に必ずある異常が起きるということではなく、体調が崩れだすときや、個人の保持している許容力、シカ治療の持続年数、姿勢、生活、運動、食事、睡眠状況など健康状態や環境に左右されるため症状の出方と治療効果をすぐに判定するのは困難なことなのです。

 判定は症状の有無ではなく、歯の構築が構造的に確実になされたかどうか相互に確認し合えた時とゴールと考えています。何故なら、このように誰がみても見た目でもわかるほどの「顎関節症」と称する人達は、関節円板に障害を持ちながら経過期間の長い顎関節症である場合や顎関節の軟骨や骨組織に異常な戻り得ない変形がすでに潜み生じていることを意味しています。骨変形によって既存の症状がある人達を医院で症状を改善しようと積極的に解決してはいけないわけなのです。さらに症状をみて行なえば、その後確実に悪化の一途をたどるの既存の治療をみればおわかりのことです。顎で最小限に食い止めているからです。シカのEBMに咬合を触ってはいけないは、シカに関しては皮肉にもあっている結論なのです。でもそれだけで運命を諦めてはいけないのです。

 診断と治療技術の能力の欠如での効果には、先延ばしだけさせる結果がすでにみえている。シカ治療で典型的なスプリントで顎位を変えられ、その後安定させるため大事な歯の模索する場所を削られ、ダイナミックな変化に合わせようとすることで、心身ともに疲労がピークに達して耗弱するのである。

 歯のズレが全体のズレの始まりです。だから歯を治すのです。


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