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診療日記ブルー


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水平面の曲がり 2004年10月23日(sat)

60,902 byte

 水平面の撮り間違った写真でも、PCでの操作で画像の処理が可能である。いったん撮り終えた画像は、専用の画像を補正するソフトで穴埋めができるのである。
 しかし実際の狂った顎は、そう簡単ではない。左右差で傾いた方が、下がっているのは正常でも当然のことだが、さらに下顎の骨自体が、緊張を伴い垂れ下がるように湾曲し、たわみ、そして歪む。歯はご存知のように上下顎の骨上に規則正しく並んでいる。骨が変化し角度を変えれば、歯も可変する。良く顎をつかえばエラがはったりするのは、骨変化のためだ。調節湾曲は歯の並ぶ角度を常に一定の方向を向けるために、左右とも別々に変化する。だから湾曲自体を治療で変えてはいけないんだね、
 歪んだ状態で高さをあわせても、解放すればさらに歪む(戻る)。状況は随時変わる、あわせるのは、一体どこで、時期はいつ?材質の硬い不動な物との意識があれば、永遠に「噛み合わせ」はとれない。よって歯は治せない。安定しないから、歯を補綴できないという悪循環を断つことができない。成長もするし、老化もしていく。環境に応じて変化の激しい「移りゆくもの」なのである。さらにポイントは、戻る歪みかどうかである。
 老人の総義歯で、当然無歯顎である上顎の平面は、基準点にそって正しく合わせられる。問題は下顎だ、下顎の左右の骨の高さが違うことがよくある。平面が歪んでいてあっている場合、下顎の左右の歯の高さはじつに巧妙に違っている。偏位している人の顔や頭の形に特徴があることはよく知っていると思う。つまり左右前後上下中心に対して3次元的に歪んでいるわけである。歪んだ状態をムシして、なにか構築すれば、辻褄が実にあわない。しかし、シカでは見た目の歪みにとらわれているから、改善しない。歯からくる歪みであれば、歯で解放する手段を当然知っておかなければならないのである。
 顎の位置にとらわれ、歯の高さにとらわれているから、けっして治らない。本当の噛む位置で修正していないからだ。よって本当に噛んだ位置が、かならず「顎位」である。いかに正しく噛ませることができたのか、正しい治療を行えるからわかるのである。

 歯の高い、低いというあなたの考えている基準の根拠は?
 いったいどこからの高さなのでしょうか?
 もしかして漠然と前回と比較していませんか? 
 それとも悪くなる直前?(もう過去は忘れている)  もちろん今「当たるところ」の噛み合わせではありません。歪んだ異常のある筋肉で当たる所と本来の姿で噛む所は違うのです。
 
 上顎はどこまでも深淵な地と相対し、すなわち地球の中心の地核へ向かっているはずだし、下顎はどこまでも正確に、星にあわせて遥かかなたの天空を見上げている。そんな上下が合わさった位置が、正しい噛み合わせといえるでしょう。

 傾いて歪んでいるから悪いわけではない、診断で勝手に病名を付けられてはならない。同じように条件反射的に判断すれば、傾いた車は、三▲社製のリコールクルマにみえるから不思議だ?


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