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診療日記ブルー


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Tron

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流行っている?患者が多い、少ない 2004年10月04日(mon)

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患者さんや業者の間では、「あそこは流行っている。患者が多い」とか、「あの歯医者さんには患者が少ない」といった会話が意外に多く交わされています。同じ条件であるならば、患者さんの多い歯科医院の方が、新規の患者さんに選択される割合は高くなります。患者さんの多い医院は「流行っている=腕が良い、親切」というヒューリスティックを生み、「歯の調子が悪いので、あそこに行ってみようか」という思考回路につながります。従い、患者さんが多いと思われた方が都合が良いと言うことになります。
ところで、患者さんや業者は、なにをもって患者さんの「多い、少ない」を論じているのでしょうか? 医院の前で、一日来院患者数を数えているのでしょうか? 多分、そんなことはしていないでしょう。医院で見た患者さんの数が、彼らをしてそう判断させるのです。では、彼らは何人の患者さんを見たら「患者が多い」と感じるのでしょうか? 答えは3人。自分以外に3人の患者さんを見れば、「多い」と感じるのです。アメリカの心理学者ミルグラムがユニークな実験をしています。サクラの人間を立ち止まらせて、向かいのビルを眺めさせます。サクラが一人では殆どの人間が立ち止まりません。二人でも同様です。ところが、サクラの数を3人とすると、急に立ち止まる人が増えてくるという結果が出ています。つまり「3」という数字になって、はじめて数が人間の心理に正当性(気になる人だかり)を主張し始めるのです。夜店の香具師や店頭販売は、一人二人のお客さんが集まっても商売を始めません。世間話でもしてひきとめ、3人以上になるのをじっと待ちます。彼らは数の効果を経験則で理解しているのです。このように人間の心理と行動には一般的な法則があります(勿論、例外もありますが)。同様に心理と言葉にも法則があります。


 以前バブルの時に、忙しいですかと聞かれることが多かった。
これに対して、答えるのがなかなかムヅカしい。なにをもって混雑と答えるか基準がない。しかも、予約制は今と同じ何ら変わらない。
シカ治療をやめ、正しい歯科をしても同じことである。
暇というわけではないし、めちゃくちゃ飛び回るほど忙しい診療はしていない。
いまでも、
「誰かを待たしても治療を行なうことは考えられません」
どんなに名医でも、実際は行列などできないはずなのです。技術は1つ、すなわち身体は私一人しかいないからなのです。大事なことは、人数の患者が多い、少ないではなくて、治療が正しいか正しくないかを真剣に問うべきです。


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