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診療日記ブルー


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関節穿刺 2004年08月21日(sat)

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 新鮮外傷、あるいは縫合後の手術創などで消毒が無意味で不必要で有害な医療行為であるが、すべての「消毒」が必要ないと言っているわけではない。必要な局面では必要であり、それを厳密に行うべき局面では、厳密に消毒すべきだ。
 「どんな場合に必要」で、「どんな場合は必要ないか」 消毒,あるいは無菌操作は、その操作が感染を起こす危険性がある場合には絶対に必要となる。それは何かというと、「本来無菌の部位に異物を残す操作」をする場合と「細菌が侵入したらそれを排除できない臓器を操作」する場合である。
 まず後者としては,関節腔であり,目の水晶体もそうだろう。これらの臓器はその機能的特質から血管があっては困る臓器であり(関節軟骨に血管があったら運動のたびに出血するだろうし,水晶体に血管があったら光が十分に通れない)、そのため白血球による細菌排除がうまく働かず、細菌が侵入したら感染が必発。だから関節穿刺などの操作をするのであれば皮膚は十分に消毒した方がいいだろうし、無菌操作は厳密に守るべきだろう。

 なぜ「関節穿刺後に入浴した患者が感染した」という例があるのでしょうか?単純に考えれば「関節穿刺の時に皮膚の細菌を中に持ちこんだ」のが原因でしょう。つまり「入浴前に関節内に細菌が入っていた」わけです。つまり原因は関節穿刺をする際の手技的ミスです。それを認めたくないものだから(?)「お風呂になんか入るから化膿しちゃっただろう」と患者に責任転化をするわけですな。
 ちなみに,関節穿刺をする前の消毒とした後の消毒では全く意味が異なります。関節腔は細菌が入った場合にそれを排除するシステムがない器官です。ですから関節を穿刺するのであれば,関節腔内に細菌を持ちこまないように厳密に無菌操作すべきです。しかし,関節穿刺が終わってしまえば,もう外から細菌が入りこむことは不可能です。つまり,関節穿刺後に皮膚を消毒するのはナンセンスです。

 このように考えると、関節穿刺をする前の皮膚の消毒を見ていると、本当にこれで大丈夫なの? ということが多く見受けられます。


麻酔薬を入れれば、効くのが当たり前だろう。

 後残されるのは、「薬」とのシカの対決になる。
なにしろ、一旦効いてしまった身体は覚えているね。
その比較の上で歯の治療をするわけなのでしょうか?

 シカも相当な覚悟が必要だ。
都合のよい相手は、今の状況がわからずただ「全快」を望んでいる。もしないものねだりであれば、苦戦を免れない。

 痛みは、現在の状況を身体がモニターしてくれている、身体に対して正しければやがて病気は消退してくれる。違っていれば、そのまま残る。ある意味、痛みという「正しい反応」が身体の調子のバロメーターを示してくれている。
 ただし咬合に関しては、症状を見ながら治療をしてはいけない、いったん骨組みをバラして、偏位を修正する場合、新たな戻す力を受けるからだ。正しい治療を受けているかたには、よくわかっている重要だが、「当り前」の話の重複で申し訳ない。

 腫れ物に触らず式のシカでは永遠に治らないと言っておこう。スプリント同様痛みを軽減することを先にしてはいけないのです。脳をだます行為が、結局は「噛み合わせ」の入出力のセンサーを壊していくことにほかならないからです。早期の初期治療の選択ミスが後々問題を長引かせるのです。楽な安易な方法の選択は避けた方が懸命です。単に病状へ対する対処を「対症療法」と呼ぶことは知っていると思います。

 「開かない」から、麻酔をして大きく開けさせたり、
 「痛い」から麻酔をしたり、 
 「動かない」から潤滑液を入れたり、
 「癒着している」からはがしたり、
 「左右の長さが違う」から左右を揃える。

残念ですが、すべて違います。
 そしてそのことするリスクを当然知っておかなければなりません。どんな施設の整った大病院でも、医療ミスなどまったくなく、最後まで順調に無事手術が終わっても、全身麻酔が覚めてきた後に、再度確実に眼を覚ます保証のないものが「医学」なのですから。


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