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診療日記ブルー


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更新履歴
2005/01/22
粘膜干渉
2005/01/21
論より証拠
2005/01/20
口腔内ストレスの恐怖
2005/01/19
偽札
2005/01/18
咬合圧の変化が痛みに及ぼす影
2005/01/17
遅らせる声
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最善をつくす。
2005/01/15
絶対音感
2005/01/14
「目は口ほどに恐怖を語る」
2005/01/13
Tron

↓以前の日記

ビートル・ボーイの憂鬱 2004年08月14日(sat)

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 身体の中で虫が増殖する、というイメージはかなり気色の悪いもので、これに関する都市伝説も数多い。細菌やウイルスの増殖ということなら、冷静に「疾患」としてとらえられるのに、目に見える生物が身体の中を這い回っていると思うだけで身の毛がよだつのだから、不思議なものである。手指足趾の再接着手術後の管理とか、化膿巣の処置にヒルとかウジ虫を使うというのが最新の医療技術として一般化してきているらしいが、患者側はもちろんのこと、医療者側にだって、心理的抵抗がかなりあろだろうとおもわれる。寄生虫ではおなじみの線虫類ならまだ納得もつくのだが、羽虫のようなものが身体に巣食い、そいつが次々外に飛び出してくるということになると、神話的不安を起こさざるを得ないだろう。まさしくそうしたホラー系の症状を示す例が、同じような地域で3例続けて発見されたという報道がなされた。
 インドの西ベンガル州のブルドワン大学病院に、6月7日、13才の少年が奇妙な症状のために入院した。彼は鼠径部に瘻孔が形成されていて、そこから羽の生えたハエのような虫が次々に飛び出してきていたのである。熱帯地方では、もっぱら家畜の病気として蝿蛆症がみられる、粘膜部や傷口などに植えつけられた卵から孵った幼虫が体内に住み着き、体外に出てきてサナギとなるのが普通だとのこと。羽の生えた成虫となって飛んで出てくるというのは極めて珍しいそうだ。少年のその後については、6月17日、ハエと呼ばれていた虫は実はカブトムシの一種であったことが判明したと報じてからは、この少年を「Beetle Boy」と書くようようになった。引用するほうもそれにならうものだから、全世界的に「Beetle Boy」が定着することになった。
 その後、「Beetle Boy」というのはあんまりだろうという投書などもあり、「Insect Boy」に書き換えられている。6月24日の記事で、虫が出てくるのは相変わらずで、市の衛生当局は少年をカルカッタの病院に移送することに決定したという記事が出たあとは、似たような症状を持つ2歳半の子供が見つかった記事が一度出ただけで、少年のその後の消息は不明である。別の新聞報道では、7月25日、少年がはじめに入院した病院に、左目の腫脹部よりアリが這い出てくる11歳の少年が入院してきたという記事が載っている。そちらもかなり奇妙な症状ではあり、なんでそんな珍しい例が次々に出てくるのか、ちょっと理解しがたい。Beetle Boyの彼は、その症状は改善せず、いまだに入院中とされている。ただ、幼虫はどうも膀胱にいるらしく、排尿時に虫が出てくると書かれているのが興味を引くところ。いまのところ、この症例に関する論文はまだ出ていないようだ。


 最近は環境が変わり、地方でも都会化しています。いなかにみえても都会同様外で遊ぶ機会や場所を失っています。外遊びとして特に昆虫採集は、さまざまな生体を子供のときから自然を観察させ情緒を養う上でとても大切なことです。そうしないと頭でっかちで書物から入る知識だけで、目の前のKr.をみていない文科系のシカ人間を作り出します。このようなつまらない人を生み出さないためにも戸外にでて、自然の恵みを満喫しましょう。ただし暑い夏は熱中症には気をつけてください。
 実際に採取は、やってみなければわかりません、
カブトムシの足が木の幹にしっかりついているのに、どのくらいの力で引っ張り、触れればいいかは、ノウハウの本には書いてありません。強い力で引っ張れば
「足」がとれてしまいます。実際は枝を持ってくれば、枝から枝へ誘導できるのです。これは噛み合わせと同じです、スプリントのような強大な力ではなく、実際は歯同士で誘導可能なのです。
 
 いまだ論文を参考にしている先生がいます。それは「ムシキング」というゲームのエリアと同じことなのです。自由な発想の子供たちは、マニュアルを読みません、そして読まずに理解する能力があるのです。ですから答えは、自分で事実を見つけてください。症例という現実の答えがやったようにかえってきます。眼の前に宝のように落ちているのです。処置を施せば、結果がでます。過程を検証すれば、かならず「一定の再現性」がでてきます。
「一定の再現性」と括弧付きでいうかと言えば、「同じ症状の人に同じ処方しても同じ効果が出るとは限らない」のです。しかしこれで本当に正しいと思っています。医療の本当の再現性は、機械にでたり見た目の判断ではないのですから。

 同じようにカラダに症状が現れている場合でも、その原因を上流までさかのぼっていくと、やがて行き着く先は、心や魂、遺伝などの固有のものでしかないことに気がつきます。固有の原因を探り出すために、カウンセリングに今度は時間を割きますが、その人の体格、性格、身体特長、生活習慣、感情、夢、嗜好、家庭環境、その他諸々。そしていつ、どこで、どのように、不調が起きたか。痛みの程度・種類。患部の状態。カラダのダメージだけでなく心のダメージはどうか。過去にどのような疾病歴があるか。イメージを発現させて自己確認をします。イメージの注入によって全体像がつかめて、最終的に歯の治療が行えるのです。だから「歯の治療」だけでいいのです。全力で歯の能力を最大限に上げることが最初からの目的だからです。やがて心や身体の許容性が広がります。

 最初にきちんと症状を確認しないまま、単に「顎関節症」と病名を新たに命名したことが間違いの始まりなんです。顎の病気ではないからです。昆虫のように足場に乗せる枝がないから、しっかり保てないのです。わからない病気ではありません、わからないのはシカのほうです。


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