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診療日記ブルー


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解剖における法則性 2004年01月19日(mon)

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解剖をしていますと、人間の身体が何十億年もかかってつくられてきたものだということを強く感じるんです。突然現れたものではなく、単細胞の生物から徐々に進化してきた。それもでたらめに変ったのではなくて、一定のライン、法則をもって変ってきたわけです。例えば、筋肉の並び方、つながり方にも歴史的な意味があり、神経や血管、内臓の絡み合いもそれなりの関連性があります。人間社会でも、建物があれば必ず道路、電線、下水道等があって相互に関連し合っているわけですが、それと同じことです。しかもそれが実にうまくできているのです。また、進化にしても、突然外からまったく新しいものを取り入れるのではなくて、何かに対して自分の持っているもの、あるものを使って対応していくことで起こっていったと言えます。そういうことを考えながら解剖をやっていますと、そのうちこういう筋肉ができてきてもおかしくないなとか、この臓器はこういう経緯でできてきたものだからこういう弱点があるな、など、興味深いことがいっぱいあります。

―― なるほど。病気の原因なんかもわかるんでしょうか。


噛み合わせが悪いすなわち顎と歯がうまく合わずずれている場合、顎の位置にあるいは歯並びのみに気を使っていると今度はあちらと互いにラインを干渉し跨(また)いでしまう。確かに歯と顎は連動している、だからシカで行われる程度の普通の治療?であれば、実に後から辻褄を合わせて治すことは容易(たやす)い。
 よって歯だけを治せばよいのだから。
   ところが事態はそれだけでは許さない、
           白があれば黒がある。
 ズレた所に3次元的な大掛かりなズレを人為的に起こさせると問題はより複雑怪奇になる。
 特にシカの間違ったスプリントと合わせ身体からアプローチをしていくと、かなり大掛かりな、そして大変遠回りな事態になってくる。スプリントに整体を合わせれば最悪だ、場合によっては取りかえしがつかないことになる。そしてフルマウス(全顎治療)など避けたほうがよい治療に決まっている。
 治療の前に、まず原因がどこにあるのかを判断したほうがよい、少なくても歯科に既往していればなんらかの歯の処置は必須となる場合が多い。身体からであれば、身体を治して歯科治療を是非受けて欲しい。
とあるチェーン展開している仙骨調整の施術場所では、骨盤を調整すると必ず歯が壊れ、インレーが飛んでくるそうだ。シカの補綴は身体を考えて作られていない。そして3ヶ月程度身体が落ち着いてから歯科治療に当って欲しいそうだ。

正しい治療では、身体の軸の狂いを許容できる大きなアドバンテージを持って治療に望んでいる。補綴や修正力のテクニックの潜在的能力が極めて高いことが実証されている。仙骨調整など身体のアジャストをしても変化に対してきわめて優秀でありけっして壊れることがないからだ。それにしても身体の持ってる代々引き継がれている弱点を歯で克服することは、やめてもらいたい。身体と引き換えに歯が壊れる、物には限界というものがあるからだ。全身をみて歯を治すのだが、歯で身体を治すものではない。
歯は歯以上でも歯以下でのなにものでもないことだけが事実だからだ。
 「弱点があるため歯が壊れたのだから」


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