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診療日記ブルー


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埋まっている位置 2004年01月13日(tue)

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デュアルバイト 当たり前かも知れないが、噛み合わせがズレた患者さんが来院される場合がある。日本の矯正歯科教育の中で下顎の位置はあまり重視されていないせ為か、医原性にズレてしまった患者さんを診ることがある。顎のズレがあまりにも大きいと外科的な処置も必要になってくる。しかし、そういう患者さんでも歯は綺麗に並んでいると、手術という治療方針を選択することが難しくなってくる。


正しく歯を並べると正しく?ズレます。簡単なことです。発生学的にみて埋まっている位置は生まれる前からすでに決定されているからです。よく考えてみてください、これは当たり前のことですよね。成長をみれば、最大限スペースのある方向へ向いていく、例えば根は根尖方向へむかって生えていくし、歯冠は成長とともに歯肉から真直ぐに突き破って萌出してくる。
 時には、傾斜したり、あらぬ方向へ向いたりもする。しかしこれはかなわぬ条件のもと、生き延びるために生体が意図的におこなわれていることなのです。歯をねじられる要因や環境、なんらかの原因があるから意図しない結果になるのです。
これらの適応性は口腔環境として、最適な状態が最適な歯牙の排列になるわけです。違っている場合、例として大きな容積の環境があれば最低限小さくなるし、小さな容積の環境であれば最大限大きくなるほうを選ぶのです。

 よって身体すなわち自発的に最善の方法をとっているのをみて、なんら根拠のない、たった100年程度の浅い歴史でシカが因縁(いんねん)を付けている。
 考えてもらいたいことは、いまだ「歯胚」だった元の位置を顎骨から動かすことが現代の主流になっている矯正学だ。顎骨と歯とのディスクレパンシーは永遠に修正はできない。歯がそこにあるのは意味がある。これがもっとも身体に正解なのです。
    ここで警鐘を鳴らすのは、後で気が付いたときでは遅いからです。くり返しになりますが、
「歯胚」の埋まっている位置すなわちあなたの祖先の噛み合わせは数百万年の間なんら大きくは変わっていないということです。だからあなたがここに存在している理由なのです。
 歯と歯とのあいだの骨は、厚みがなくとても繊細です、人工的に動かしてできた骨は歯周病菌で簡単に骨が溶かされます。これが人為的な移動にたいする自然淘汰(とうだ)という厳しい現実での回答だからです。

顎骨へ対する力学的ベクトルの最適化の場所は探すことはないのです、生まれて来た最初の場所だからです。そのように遺伝子はセットされてきているのです。そろそろわかってきたかと思いますが、
対応が一番難しいのは、歯と顎それぞれズレてしまった、すなわち
矯正してしまったKR.です。


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