▲戻る / タイトル一覧 / ログ検索 / 過去ログ / 管理者用
診療日記ブルー


<< 2024年 11月 >>
sun mon tue wed thu fri sat
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
- - - - - - -

<< 前の月 / 次の月 >>

更新履歴
2005/01/22
粘膜干渉
2005/01/21
論より証拠
2005/01/20
口腔内ストレスの恐怖
2005/01/19
偽札
2005/01/18
咬合圧の変化が痛みに及ぼす影
2005/01/17
遅らせる声
2005/01/16
最善をつくす。
2005/01/15
絶対音感
2005/01/14
「目は口ほどに恐怖を語る」
2005/01/13
Tron

↓以前の日記

細菌の感染症 2004年04月27日(tue)

58,827 byte

 う蝕(むしば)は細菌の感染症であり、その原因はプラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊です。最近、バイオフィルムという言葉が使われるようになりました。これは固体表面に付着した細菌やその産生物からなる複合体のことをいいます。プラーク(歯垢)は細菌性バイオフィルムの代表的なものといえます。
口腔内のバイオフィルムであるプラーク(歯垢)にはミュータンスレンサ球菌を含めてさまざまな病原菌が存在しています。特に菌を凝集、停滞させ、抗菌物質などにも抵抗力を示す病原性の高いものはう蝕(むしば)だけでなく歯周病などの疾患の原因にもなります。近年ではう蝕(むしば)も歯周病も同じバイオフィルム感染症であると考えられています。そしてその病原性バイオフィルム(う蝕原性プラーク)の形成にはミュータンスレンサ球菌が深く関与しています。


 ムシバの原因は磨きすぎによるものがわかってきています、毎日「食後すぐに磨く」。これを続ければ、確実に再石灰化以前に毎回歯の表面のエナメル質の脱灰を確実に促進させてしまっているのです。
 歯は表面のエナメル質が毎食後、「酸に洗われて」逆に歯質が強化されるのですから。
ある未開に地に住む原住民に始めて歯刷子を使わせた所、あっと言う間にムシバだらけになってしまったという笑えない話しは有名です。
写真はナノ粒子がミュータンス菌にからみついている様子です。
(*20000)
大きさがちょっとわからない、そうですね。眼には見えない大きさですから。
例えれば人間をモチーフにして
ナノ粒子を直径1cmの真珠くらいとすると、
ミュータンス菌は直径25cmのバスケットボールくらいです。ではあなたは今使っている歯磨剤はどのくらいかというと、ちょうど3階立てのビル(10m)の高さになります。この高さ(幅)の粒子の大きさでは、ミュータンス菌をからみて除去することは難しいですよね。
しかも落そうとするあまりエナメルの表面を傷つけるだけですから。
 またもう一つの効果として、ナノ粒子はエナメル質の表面にできたミクロの傷を埋めて滑らかにするという効果があります。直接埋める効果がある歯磨剤はそのまま直接予防効果があります。エナメル質表面がつるつるに感じるのはそのためです。
 ある予防学の30年以上に渡る研究の結果として「1日1回」磨くことが一番よいこととわかってきました。歯を磨きすぎるとムシバになります。古来から常在菌として共に長い間協調関係を築き過ごしてきたのです。人間の身体に不要なものはありません。それと当然のことですが、其の前に歯を「正しく」治しておくことです、歯にストレスを与えず噛み合わせがズレなければ、けっしてムシバなりませんから。
 メカニカルなストレスを含め心身ともに築き上げた健康が歯の予防に繋がるのです。
    これが本当の究極の予防方法なのです。


Web Diary Professional ver 2.17