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イノセンス 2004年06月19日(sat)

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 セルアニメとデジタルでは質感とか空気感が全然違います。セルをのせる撮影台からフイルムに到達する間での間に空気というか、「何か」があるのです。それが独自の質感を醸(かも)し出しているのです。ところがデジタルでは単なるデータなので間に何もない。だからぺらぺらに薄っぺらく見えてしまうのです。

 セルの頃は、空気の層が動き背景が、数ミクロンぶれる、これが「生きた」キャラクターがじっとしているように見えた。しかしデジタルだとまったくぶれない、ちょうどPCがフリーズしているように固まってみえて不自然である。
海水から自然に作られた塩はミネラルが豊富でうまい、でも化学合成された塩は塩化ナトリウムは突き刺さるしげきでまずい。これと同じである。
イノセンスは劇場用作品である、映写機がフイルムを送り出す、ほんのわずかな「がたつき」までも計算して作ってある。

     イノセンス それは、いのち。


 歯の治療はアナログである.
しかし時と場合でデジタルを応用することがある。
 oリングの名称は正式には、“Bi−Digital O-Ring Test”バイ・ディジタル オーリングテストと呼ばれる。プラスとマイナスがでる。ニューヨークで公表されただけに、実に「西洋学的」なものである。日本人医師が発見した指の輪をつかった新しい診断方法である。

 脳の血液循環と握力の関係を研究する過程でBDORTのヒントを発見した、その人は当時ニューヨーク心臓病研究所の所長である。博士はアメリカ特許庁に「O−リングテスト法の原理と応用」について特許申請した。そして認可された。人間を直接対象とした特許など、いまだかつてなかった、画期的なことである。「生体そのものが極めて敏感なセンサーで、毒物を近づけたり、体に合わない薬剤を手に持たせたりすると、筋の緊張は低下し、逆に有効な薬剤では緊張が良好に保たれる」という原理に基づいている。

 ところがO−リングのデジタルにズッポリはまってしまった例をみている。そのリングには逃げ道がない、どこまで続くロードである。調整は究極的に、どの回転で、どの方向に、どんな角度で、どのくらいの量を、どのように削るのかは、デジタルにはでない。
削る部位場所がわかっても、結局アナログに頼るしかない。調整の能力は簡単にはっきり言おう、ずばりセンスだ、人に教わってできるものではない。

 O−リングにおいて達人かつ噛み合わせの達人が同一人物に二つが結合しつねに同居しなくては、よい結果はでないだろう。さらに正しい治療は、ほんのわずかな「がたつき」までも計算して作ってある。身体は歯も含めすべて生きているからである。シカのようにけっしてフリーズした歯を入れてはいけない。
 正しく調整していくとそれはかならず必要な固有の角度や点接触を展開するため一定の湾曲面に置き換わる。そのかた自身の本来持つべきDNAを有した「歯」その形態になってくることがわかる。機能イコール形態である、だからそれ以外の形は何を施しても不正解になることがいずれわかる。結果がすべてを表してくれるからだ。その形は等しく歯の形になっていますか?

      歯 それは、いのち。

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