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STAND ALONE COMPLEX 2004年06月20日(sun)

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 笑い男事件
 2024年2月1日、セラノ・ゲノミクス社社長アーネスト瀬良野氏が誘拐された。同時に現金100億円、金塊100kgが犯人から要求されるが、そのまま連絡が途絶える。報道管制の中、2月3日、突然TVモニターの向こう側に姿を現した瀬良野氏と銃を持った犯人。生中継のただ中、犯人から脅迫を受ける瀬良野氏。現場を逃走する際に犯人はカメラのAI、通行人やTV局のスタッフにまで〈笑い男〉マークをリアルタイムで上書きして逃走。通称〈笑い男〉事件と呼ばれる劇場型犯罪の始まりだった。
 衝撃的な初登場以降、MM(マイクロマシン)の製造ラインに〈死に至るウィルスプログラム〉を混入するという手口で引き続き同社を脅迫。セラノ株が暴落した時点で脅迫はストップ、続いて他のMMメーカー6社が同じ手口で脅迫された。政府による被害企業への公的資金導入を期に〈笑い男〉は終了宣言を行いネットの闇に消えた。


 狂った動きを正常にみせかけるという手口は、シカ権力の象徴である。虚構により構築された学習システムによって送りだされた究極のシカ兵士は、そのまま役目を全うするため日夜継続し実施している。
しかし国家ぐるみの犯罪をあばこうと電脳にたけた優秀なハッカーがでてくる。彼は笑い男であり、彼が存在する理由は、シカの診療システムがあまりに前近代的であるのが原因だ。しかし笑い男は国家の機密を知りすぎたため、策略にはめられてしまった。彼は企業をターゲットにする脅迫者にしたてあげられたのだ。
 電脳硬化症と同じで、どんなにセキュリティを強化しても、かならず科学の欠点をついたセキュリティホールが現れる。現代の顎関節症は「顎」でKR.にアラートを鳴らして警鐘している。

 電脳とは、脳に対してマイクロマシンを注入し、首に入出力インターフェースを埋め込むことで、思考を直接外部とやりとり可能となる脳である。歯科でいえば、電極のかわりに歯を口腔内に填入することすなわち歯の治療になる。歯の修復物によりダイレクトに脳に伝わることだろう。
 国家規模で行われている電脳通信のネットワーク管理で「ゴーストハック」されている。あなたは、悪意を持った他者にゴーストの障壁を突破されると、自分という個を乗っ取られることになる。ゴーストとは、オリジナルと寸分違わぬ肉体を、義体という形で作ることはできるようになっても、そこにゴーストは宿ることは無い。「個」を限定する因子のことを「ゴースト」と呼ぶ。意味は“魂”“霊魂”などである。自分を自分として証明する証拠である。
繰り返し治療を進めていけば、仮にオリジナルと寸分違わぬ歯を入れられる技術を有していても、落とし穴に陥ることになる。歯に魂を注入できることが可能かどうかという点だ。
 オリジナルとの違いは、確実にある意識の有無である。意識の欠落したダミーの歯では、魂はけっして宿ることはない。

 バトーから言わせれば、「眼を盗まれている」だよ。シカ医には、そんな風に見えるのかい。捩じれている天然歯が狂ってみえるのかい。それはね、噛み合わせの動きを正しく理解していないからだよ。歯並びが悪くみえるのは、ディスクレパンシーへの身体からの対応を意味する。歪んだ鏡で、シカが正常と認識しみているかぎり、シカできれいに並んだ姿に歪みが現れる。現実に歪みの姿を捉えないかぎり、次の笑い男が出現する。

 わたしがもしシカの現実の話をしないと罪になることなのだろうか?それとも現実の話をして罪をきせられるのだろうか?いずれ時期がくるだろう。

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