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ドレスの注文 2004年07月22日(thu)

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 注文に凝っています。何を注文しているかと言うと、スーツです。凝り始めた頃は、本を読んだりネットで調べたりして予備知識を学んでいました。そして注文する際にあれこれ口を出していました。そうすることがカッコイイと思っていました。HPなどを見ても「自分の希望は細かく伝えるべし」などと書いてありました。何も言わなければ「軽い客」として扱われると説明されていました。

が、最近はスーツをする際はイメージと予算だけを伝えてあとは職人に任せています。何着か作って気付いたのですが、注文服を作る場合は、あれこれ口を出すよりも、職人に全てを任せた方が出来あがりがいいです。

生地を扱う仕事をしていたり、裁縫ができる技術を持っている人なら別ですが、そうでない(一般の)人があれこれ口を挟んでも仕方がないと思っています。

職人はプライドを持っています。日本の服職人の技術は世界最高水準にあります。だから「全部任す。いいモノを作ってくれ。金は出す」という態度で接すると目の色が変わります。(実際に、本当に、変わります)客としてどれだけ大切に扱われるかは、口を出す頻度ではなく、注文主の人間としての器(オーラ)なんだろうなと思っています。職人は自分の腕を証明するためにいいモノを作ります。それでいて提示される料金はこちらが見積もっていたのよりはるかに安いです。また、しばらく着た後に「実は、ここがちょっと」と言って職人のところに持ちこむと、必ず直してくれます。ほとんどの場合、代金は請求されません。1度、ベストを全部ほどいて、サイズを修正した後に、縫い直してもらったことがあります。それすらタダでした。解らなければ、いっそのこと、「全部任せる」というのも1つの方法かと思っています。もちろん、任せる人を見極める眼力、職人により良いモノを作らせるだけの人間としてのスケールは、任せる側の責任です。


 ボタンを3つ、色は黄色と赤、背中を割って、帽子とそれから靴はとんがって。そしてやっとできあがってきた注文の服をルンルン気分で着てみたのです。鏡に映してさーあどうでしょう?その鏡に映った姿は、、、、。私はパーティー用のドレスを頼んだのに、どうしてサーカスのピエロの服が出来上がったの!注文って伝えることって難しいですよね。

 あなたの心の中に映し出されたものは、そのまま外界に現れることがもうわかりましたね。たとえば、歯を設計するにあたって、丸いものを四角にしてくれ!
とあなたが言うとします、そうするとシカがハイハイわかりましたとばかりに容易にガンボウをそのままダイレクトに反映させます、その場は確かにあなたは満足するでしょう。
 でも結局辻褄があいません、一つの場所にとらわれると今度はあっちこっちと矛盾点が続出します、部分にとらわれ全体像がみえません、全部をいびつにしてしまっているのです。
 こんなかたもいました、こんなになるまでいいなりだったんですか?って聞くと。こう答えました、
いえ!私は何も先生に言っていないんですよ。
(聞かれないから答えない?それとも答えないから聞かない?)
そうすると、その場の雰囲気で暗黙のうちに、あなたの外見的な「見た目の」治療に媚びたシカ治療に必然的になるのです。とにかく受け入れてもらいたくてシカは必死だからです。
 一時はそれで済むでしょう。その場逃れですから、
結果は明らかです。生涯にわたり使いこなせるりっぱで満足されるものは永久に作られることはないでしょう。シカはその癖を自分でつかい、それ以上伸びようとしません。

 歯の治療を施して、どうなりたいかよーくイメージを頭に浮かべてください、歯を治すことが最終目標ではないでしょう。最後の治療は、人生での分岐点になるのですから。そして歯の治療の期間より、治し終わったからの期間のほうが長くなくてはいけないのです。

 トータルで気がついてみてください、シカでは使用している期間より、治療の期間のほうが長くないでしょうか?しかも入れている期間、及ぼす効果は永久的に続くのです。

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