事故によって過去の不幸な出来事を思い出して欲しくない、母のたっての望みだった。しかし辻褄はあわずもろくも崩れていく、事実は覆い隠すことができないのだ。真実は曲げることができないのです。人がよかれと思う気持ちが診療では裏腹になる場合があります。運命を変えるには、自分で道を切り開くには、早く現実を謙虚に受け入れることからなのです。これが幸せの道につながります。今後ともいかなる運命が待ち構えていてもです。
チュンさんの家の母さんの写真がある、ミヨンはいったい誰なんだ。「僕はチュンさんなの?」
催眠治療は本来記憶を取り戻すためのもの、きみは特別だった。シカでは特別なことではありません、日常茶飯事です。ムシ歯を見ればタービンを持った手が勝手に動いてしまいます。確かにそこは穴が開いてムシ歯です、しかしそこから治してはいけないのです。
よって新しい記憶を埋め込まれた。
ミヨンらしいってなんですか?僕は誰ですか。
僕はチュンさんです。
疑われるのは、当然だ。歩き方や心の持ち方が違う、まるで違う人だ。おどおどしていていなく、余裕がある。同一人物ですと事実を聞いてもまるで違う人です、私はシカを選びました。まだ信じられません、突然のことで、心の整理がつかないからです。
それでも僕はあなたを待っています。