顎関節症の保存療法
咬合治療……スプリント療法、咬合調整など。
薬物療法……鎮痛薬、炎症をしずめる薬、筋の緊張をやわらげる薬など。
理学療法……温熱および冷却、マッサージ、超音波治療、低周波治療、レーザー治療、関節可動化訓練など。
顎関節症の手術療法
保存療法をおこなっても関節の痛みや顎運動の障害が改善されない場合に行われます。手術療法をおこなわなければならない患者さんは、全体の1%ぐらいしかいません。
関節鏡(視下)手術……関節鏡などを用いて積極的に関節内の癒着を剥離する手術
関節円板切除術……役に立たずじゃまになっている関節円板を関節を開いて切除する手術
では咬み合わせを良くすると治るの?と思うでしょう。
関節周辺の過牽引は顎関節への亜脱臼をさせているのです。すればするほど肝心な関節部分への負担で影響ための変性が現れます。例えば顎関節を5mm以上挙上したとすれば、関節頭へ血流などの栄養供給が途絶えるため、逆にエロゲーションすなわち関節頭が部分壊死し溶け出していくのです。骨は添加と吸収をつねに繰り返しています。不必要な過った力のため、骨はさらなる吸収を起こし結果緊張で強く引っ張られ、さらなる実質損傷を起こさせていくものなのです。
「細く尖った関節頭」で人為的なリューマチ状態を作りあげる、一旦関節が溶け出してしまえば、安定し定まる状態を作れるわけがありません。止まらないさらなる吸収ごとに変化させられる噛み合わせでは、手を付けてはいけない難症例であり、「触ってはいけない」いわゆるお手上げ状態になるのです。
いわゆるどんな名医でも触ればとたん「はまってしまう」のです。
これが挙上後、歯を治してはいけない最大の理由です。もっとも不安定であるスプリント直後に取りかかるには少なくても数カ月放置し、装置の影響がなくなるまで一切始めることができません。シカが人為的に作った偽関節だからであり、これはけっしてあてになりませんから。
関節頭の変形を招き、逆に咬合高径は著しく低位にになります。低位を治そうとすればするほど、より低位を助長します。現状に即しているから従わざるを得ません、問題のある状態から問題の状態へ悪くポジションを定められてしまうのがスプリントである。
良くすることと変えることとは根本的に違う、繰り返しになるが噛み合わせは人為的に手を加え変えてはいけない。原因の歯のみを治して全体をよくすることである。
問題のある状態から問題の状態へ悪くポジションを定められてしまうのがスプリントである。不用意に触られただけ歪みを受けてしまう繊細な場所なのです。顎は許容性があります、いいことでもわるいことでも何でも受けていくのです、そして最後の審判として最後に結果が出て来くるのです。
円板の滑落は動きの制御すなわち「歯」の角度なのです。けっして高さではありません。
運動の質の改善は正しい歯の治療です。正しく噛めれば円板も乗ってきます。
顎運動の画像です。(クイックタイム)
顎運動 正常者、円板前方転移
咬み合わせを良くすることは「あげる」ことではありません。