▲日記帳に戻る


冬のソナタ 2004年05月27日(thu)

61,172 byte

 ユジンはパズルの欠片を見つめながら北極星(ポラリス)を思い浮かべた。北斗七星とカシオペアのあいだで鮮明に輝いていた北極星。山の中で道に迷ったら北極星を探せばいいと言っていた彼が北極星を教えてくれた。
 ユジンが道を失い彷徨っていた十年のあいだ、彼女の北極星はどこにも見当たらなかった。ジョンアが会社名を決めようと言ったとき、ユジンが「ポラリス」を提案したのだ。
 北極星のことを考えていると、ユジンの胸の中に悲しみが徐々に押し寄せた。ジグソーパズルの欠片は全部合わせればひとつの絵になる。しかし、彼女に残された記憶の欠片はいくら頑張ってもひとつの絵にはならないのだ。どうしても欠片がひとつ足りない。たったひとりの人間がいないのだ。その一欠片さえ見つけることができれば……。

 は・つ・こ・い――そっと思い浮かべるだけで、人々の胸に静かな波紋を起こす水色の懐かしい言葉。すべての人々の初恋は純粋で切実なものであるけれど、時間が経つにつれてその記憶は薄れていき、別の愛によってその強い気持ちはしぼんでしまう。ところが、生まれて初めての胸が高鳴るような愛を感じさせてくれた彼が死んでしまったとしたらどうだろう。そして、十年後に死んだ彼と同じ顔の男が、結婚をひかえた彼女の前に現れたとしたら?昔、愛していた男と似ているという理由だけで、その男を愛することができるだろうか?


 今回のテーマはそう恋愛ドラマである。
昔の噛み合わせの記憶が蘇る、ええそうなんです。
肉体は過去へは戻れません、しかし若い時に記憶は今も鮮明に憶えているのです。
もっともいまの疲れ切った身体は確かに忘れています。

そしてその記憶に対面したとき、本当に思い出せますか?

あなたが出会うその瞬間で、戻れるか、あるいはそうでないか。ただ通りすぎてしまうか。噛み合わせの記憶が無くなったのは、事故のようなものです、きっかけがなければさらに奥深い闇に向って突き進むだけのことだったのです。これは逆にチャンスなのです。

「わたしが見たあなたは幻だったのかな……。
わたしは今でも一緒に過ごしたあのころのことを
すべて覚えてるのよ、ひとつも欠かさず。」

どこまでも純粋な気持ちです。
 突き進む純愛に、それでいて誰よりも好きな相手に確実な保証を求めるのですか?真実は一つです、そして相手を信じることです。
 最後のジグソーパズルの1片で全部合わさりひとつになるからです。歯の治療もまったく同じです。
迷った時にあなたのその北極星を探せましたか?
 ドラマを演じている主人公はあなたです。ドラマの結末が、ハッピーエンドになるか、それとも違う結果になるか、決めるのはあなたです。
 わたしはただその星を教える存在にすぎません。   

↓前の日記 / 次の日記↑


Web Diary Professional ver 2.17