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錯覚の治療 2004年06月29日(tue)

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 これは静止画で動かないはずですが、動いています。眼の回る人は注意してください。


 噛み合わせをみるときに、なぜ歯型の模型にとってみなくてはいけないかということです。それは口腔外でしかみれないからです。
   本人もドクターもです。

 口腔内では、お口の正面からみているようでも実際は上下ともユニット側(Kr.の右側)から傾いて口腔内部をみています。うちは最新型でユニット正面から見れるようにできている?そうですか。しかしお口を開けると上には頭蓋、下には、顎がついています。ですから3次元的な傾きを考えて、口腔内で真っ直ぐ上からみるには、顎を取り外すことしかありませんよね。生きている生体であればこれはちょっと無理だと思います。
 模型も補綴物同様に重力線と軸面が正しく合致したように、3次元のトリミングしておかなければ、ねじれた歯で錯覚してしまいます。作る人にも周りの空間の指示が正確に伝わりません。
    
 「シカはみなこれにだまされています。」

 歯がねじれているからこそ、顎や身体はねじれていないのです。だから身体の必要性から歯並びを崩しているのです。シカで戻すとどうなるか?もうわかりますよね。そして正しく生きている人のお口を正しく模型に置き換えるのです。歯が動かない前提であるシカでは、まるで死人に対する調整方法ですし、死んだホテツを入れても、生きている人には絶対に合わないのです。
 互いに錯覚の治療です、実像を治すのです。歯が動く(戻る)ことを計算して作るのです。
お口のなかで見たいものは、歯であるのですが、けっして歯だけではないのです。

 石膏でできた模型はもちろん動きません、しかしよくみると動いているのです。「歯は動いていないように見えて、動いているのです」
 動く歯をシカのように調整したり、スプリントをしても意味がありませんし、忠実だった元の原形をより無くすだけです。そして何も終わりません、いつまでも空回りするだけです。

図の動きは、「噛み合わせ」と同じでみようみようとすればするほど、止まっているようにしか見えないのです。みないようにすると動きがみえるのです。

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