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救命病棟24時 2005年01月06日(thu)

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 引き金を引かれてしまったわけなのですね。お気の毒としかいいようがありません。ただそれは確かにそうなのですが、すべてにおいて引き金を引いてしまった歯科のせいのように言われてもとシカは思うはずです。私なら、その前に防ぐ事のできる、こうじる方法があると指摘できます。
 起こってしまって、いまさらと言われるかもしれません。しかし、実際に起きなければ何も気がつかなかったことばかりでしょう。歯科は、逆に問題を作らない、そして起こさない方法を知っておいて欲しいのです。ここで歯科と言うところで何が期待されているのかを総合的に考えるため、日常的な体調不良を別にして、「重篤な状態」な人の状態を大ざっぱに分類すれば以下の如くになります。

(1)誰が何をしようとどうにもならない状態。
(2)なるようにしかならないが、対応によって予後に大きな違いが出る状態。
(3)スキルのある人が適切に対応すれば危機は回避できる状態。
(4)科学的根拠、すなわち普通の対応で目の前の危機はとりあえず去ってくれる状態。
この分類に年齢的な要素を加味すると、大概の状態は網羅できます。
 いずれにせよ、治せる人は幸せです。そうでない人も現実にはいるからです。さらにややこしいのは、治っていないのに症状だけとることです。そして、症状がなければ治っていると思っていることです。でも、引き金が怖いのです。

 噛み合わせが合わない時間が、短い時間であっても、量的にわずかであっても、耐えられない質という問題があります。まちがってもシカのスプリントのように、延命のためには実効性で対応するしかない方法を取らないで欲しいものです。いきおい挿入されるチューブの数と太さは増し続けることになるように、(某救急専門医の自説によれば、『延命有効率は挿入されるチューブ数と断面積総和の積の立方根に比例する』とのこと)、いきおい歯の噛み合わせの高さが、どんどん高くなっていくようです。高さと治るのは、反比例するかのようです。
ゾンビにカンフル注射のごとく、電気ショックを与えるのはやめて欲しいものです。「安らかな最期」を歯科のドタバタ状況で迎えたくないと思います。

 あれもだめ、これもだめという人は、選択枝が違っているのではありません、最初から考え方の根本が違うのです。医療ミスとは違い、歯では命を落とせません、だから生きているかぎり、今の歯のままなのです。今の状況通りに歯は表現されています、シカの歯かそうでないかのどちらかです。24時間休みなしで働いているのは、歯という構造器官の宿命です。

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